特集「無形文化遺産 和食の世界との融合」 第二回 焼き胡麻豆腐と帆立貝柱のポシェ 菊芋のポタージュ

令和3年3月29日
 
今回は奈良県や和歌山県の郷土料理である胡麻豆腐をメインとした一皿です。
胡麻豆腐は胡麻と葛粉を用いたシンプルながら滋味深い精進料理の一つです。
胡麻の強い風味を活かし、わさび醤油や出汁で食される事が多く見られます。
この胡麻豆腐に少しオレンジの香りを加え表面を香ばしく焼き、菊芋のポタージュと合わせてみました。
菊芋はシャキシャキとした食感でお味噌汁の具材として使われたりする季節食材です。


         





ポタージュにする事でほんのり甘くさっぱりとした味わいになります。
香ばしく焼いた胡麻豆腐の食感、風味を優しく包んでくれます。
また帆立貝柱、トリュフと合わせることで胡麻豆腐を口の中に入れ、舌で押し潰すように頂くと帆立貝柱の甘みと菊芋のポタージュがトリュフの香りとオレンジを漂わせた胡麻の風味を包んで優しい余韻を感じさせてくれます。
シンプルで滋味深い味わいの胡麻豆腐は無限の可能性を秘めた料理、食材と言えるでしょう。
また和食全体もその時の時代背景であったり、食材を活かした調理法や料理が数多くあります。
組み合わせ一つで世界との融合の架け橋になるでしょう。


           


Yutaka.miyahara