第77回世界保健総会政府代表演説(塩崎厚生労働大臣政務官)(2024年5月28日)

令和6年6月12日
77回世界保健総会
テーマ:「All for Health, Health for All(全ては健康のために、健康を全ての人に)」

2024年5月28日(
政府代表演説 塩崎厚生労働大臣政務官

 
1. はじめに
 
○ 議長、テドロス事務局長ならびにご列席の皆様、ここに日本政府を代表して第77回世界保健総会においてお話できることを光栄に思います。
世界中の全ての人の健康のために取組むWHOの献身的な働きに敬意を表し、心より感謝申し上げます。
今もなお続くロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害する、明白な国際法違反であり、強く非難します。我が国は、公衆衛生の脅威から国民の健康を守るための努力を続けるウクライナ政府を引き続き支援していきます。
我が国は、ラファハを含むガザ地区の危機的な人道状況を深刻に懸念します。人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また人質の解放が実現するよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待します。
また、国際的な感染症対応においては、台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を参考にすることや、特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことも、世界全体の感染拡大防止の観点から重要です。
 
2. 日本の取り組み
 
○ 我々が共通して直面している公衆衛生の重大な課題に照らして、私から二点、重要な発表をいたします。
一つ目ですが、我が国は、世銀・WHOと連携し、「UHCナレッジハブ」を2025年に東京エリアに設立することを表明します。
 「UHCナレッジハブ」は、ヘルスケアシステムに効果的な投資を行い、保健財政を強化するため、特に低・中所得国における、保健省と財務省の政策立案者に対する研修を含む能力開発を行います。さらに、UHC達成へのモメンタムをさらに強化させるために、「ハイレベルフォーラム」を開催する予定です。
二つ目ですが、〔本日、〕我が国はATACH(気候変動と健康に関する変革的行動のための同盟)に正式に加盟したことを報告いたします。日本は、「気候と健康」がさらに重要になっていることを認識し、この難しい問題を乗り越えるための各国の連携した取組にさらに貢献していくことをここに約束します。
 
3. WHOへの期待
 
薬剤耐性(AMR)対策、非感染性疾患(NCDs)、気候変動、健康危機、そしてパンデミックへの予防・備え・対応等、我々が連携して取り組むべき多くの重大な健康課題があります。
日本は、これらの重大な課題への取組を進めるためのWHOによる多大な尽力とリーダーシップを称賛し、国際的な共通の健康課題の解決に向けて、変わらず支援及び貢献をしていきます。
ありがとうございました。