第76回世界保健総会政府代表演説(本田厚生労働大臣政務官)(2023年5月22日)
令和5年5月30日
第76回世界保健総会
テーマ:「WHO at 75: Saving lives, driving health for all」
2023年5月22日(月)日本政府代表演説
テーマ:「WHO at 75: Saving lives, driving health for all」
2023年5月22日(月)日本政府代表演説
1. はじめに
○ 議長、テドロス事務局長ならびにご列席の皆様、ここに日本政府を代表してお話できることを光栄に思います。
○ 本年のWHO設立75年を記念し、全ての人々の健康を守り、促進するためのWHOのこれまでの、そして、現在の取組に対して大きな賞賛を送りたいと思います。また、テドロス事務局長のリーダーシップ、WHO事務局の皆様の献身的な働きに感謝申し上げます。
○ 本年2月に発生したトルコ・シリア地震で被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。そして、被災された方々を守るために揺るぎない支援を行うことを約束します。
○ 加えて、今もなお続くロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更であり、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。ウクライナの主権と領土一体性を侵害する、明白な国際法違反であり、強く非難します。我が国は、公衆衛生の脅威から国民の健康を守るための努力を続けるウクライナ政府を引き続き支援していきます。
2. G7議長国としての取組
○ 今年、我が国はG7議長国を務め、広島でG7サミット、また長崎でG7保健大臣会合を開催しました。
○ 2つの会合では、国際保健にかかる大きなテーマとして、「将来の健康危機のための予防・備え・対応の強化」、「より強靱、より公平、より持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成への貢献」、「ヘルス・イノベーションの促進」を中心に議論しました。
○ 特に、感染症危機対応医薬品等(Medical Countermeasures: MCM)への公平なアクセスに関し、「MCMの公平なアクセスのための広島ビジョン(G7 Hiroshima Vision for Equitable Access to MCMs)」を打ち出すとともに、「MCMデリバリー・パートナーシップ(MCM Delivery Partnership for equitable access)」 の立ち上げを主導しました。
○ また、「G7 UHCグローバルプラン(G7 Global Plan for the UHC Action Agenda)」についても合意しました。
○ こうした国際保健の諸課題に対し日本として、2022年から2025年までに官民合わせて75億米ドル規模の資金貢献を行う考えを表明しました。また、G7全体で官民合わせて480憶米ドル以上の資金貢献を表明しました。
3. WHOへの期待
○ 本年9月に開催予定の3つの保健に関する国連総会ハイレベル会合を含む様々な国際会議の場での議論を通じて、グローバルヘルスの推進、UHCの達成に向けた政治的モメンタムを高める必要があります。その上で、WHOが中心的な役割を果たされることを強く期待します。
○ また、国際的な感染症対応においては、台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を参考にすることや、特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことも、世界全体の感染拡大防止の観点から重要であることを訴えたいと思います。
4. おわりに
○ 議長、我が国は、すべての人がより健康で、より公平で、より平和で、より豊かなグローバル社会を構築すべく、今後も、WHOをはじめ、関係機関等と緊密に連携してまいります。
○ ご清聴、ありがとうございました。