館員の声: 森田麻菜美 インターン生
初めに
ジュネーブ大学で交換留学生として国際政治学・外交史を学んでいる森田麻菜美と申します。私は、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部人権班のインターン生として、2017年3月に行われた第34回国連人権理事会に参加させて頂きました。
私は、国際会議が進められる様子、又、意思決定がされるプロセスを、学問のフィールドを超えた実際の現場で見たいと思い、インターンを志望しました。このインターンは私の望みを期待以上に叶え、4週間で想像以上に多くのことを学ばせてくれました。
この場を借りて、インターンの内容の紹介をさせて頂くと共に、この貴重な経験を振り返らせて頂きます。
インターンシップの内容
本会議は、カラフルな天井が印象的なルームXXで行われています。初日には、多くの記者やカメラマンも駆けつけており、私も身を引き締めてルームXXに足を踏み入れました。
インターンシップの主な内容は、日本の席に座り、本会議の議事録をつくることです。初日は特に内心ワクワクしながら日本の席に座らせて頂きました。
本会議は、英語を含めた6カ国語の国連公用語に同時通訳されており、英語を聞き取りながら日本語の議事録を作成していました。私は、多量な情報を我武者羅にメモしていたため、後でまとめるのが困難になり、納得のいく議事録を早く書き上げることができませんでした。早く分かりやすくまとめることを目標にして、メモの取り方を工夫し、特に重要なところを見分けるためにも、議題の理解力を深めるように努力しました。
会期前半ではテーマ別に人権問題が多角的に議論され、会期後半では国別の人権問題が議題となっていました。私が特に面白く感じたのは、決議案の修正が議論されている別会議に同行させて頂けた時のことです。そこでは、文言に対して各国が意見を述べ、お互いの提案に対して同意や反対を示し、より双方的な対話が行われていて、非常に興味深かったです。代表部の方々の生き生きとした働きぶりや、協議で交渉され、協議をリードされている様子を拝見でき、大きな刺激を受けました。
最後の2日間では、今までの議論を反映し多くの協議を経て完成された、決議案が採決されました。今回は全ての決議案が採択され、やりがいを感じさせられたと共に、コンセンサスからの離脱を示す理事国もおり、意思決定においてのコンセンサスを得る難しさも感じました。
終わりに
4週間、毎日が充実していて、常に学ばせて頂いておりました。私は、「移民」を研究テーマにしているので、移民の人権保護に特に関心を持って参加していましたが、様々な角度から人権問題について考えさせられ、大変興味深かったです。本当にありがとうございました。