インターンシップ報告:来島インターン生

令和元年11月11日

 第42回国連人権理事会における在ジュネーブ日本政府代表部人権班のインターンに参加させていただきました、東京外国語大学国際社会学部4年の来島健一と申します。私自身のインターン期間は2週間と、他の人たちより短かったのですが、その中で感じたことなどを書かせていただきたいと思います。


 まず、期間中の仕事内容は、国連欧州本部のルームXXで行われる本会議に出席し、各国の発言内容のメモを取ることでした。その他、決議案を決める非公式協議に出席し議事録作成なども行いました。人権班の方々の補助として、理事会の経過報告が主な業務になります。


 個人的に、この業務を通じて感じたこととして、特定の国々の間の明確な対立構造、発言から読みとれる各国の政治的スタンスや性格の違い、人権問題の定義の様々な応用などが挙げられます。


 本会議中の各国の発言の中には、ある特定の組み合わせの国同士が複数回にわたり互いに非難をし合う場面が多々ありました。多数国参加の場で明確に、そして何度も相手国を批判し続ける行為は、普段の学生生活からでは感じ取れないような、問題の恒常性、第三者の介入の必要性を考えさせられました。


 また、他国やNGOの指摘を受けた際の返答の仕方に、如実にその国の性格が表れていると感じました。指摘に対し返答の定型文を読み上げるような国や、それを誤情報だと断定し逆に凄みを利かせるような国、理事会に助けを求めるような国もあれば、理事会の働きを不十分だとなじるような国もありました。現地でその発言を聞くことは、もともと持っていた国に対するイメージをはるかに超える、印象に残るものでした。


 そして、人間が絡む問題は全て人権問題となる性質が利用されている、つまりどのような他の問題にも人権侵害という名目をあてはめることが可能だということです。例えば領土問題にしても、それに影響を受ける人々の人権が損なわれているとすれば、それは全て人権侵害問題として非難の声を上げることが出来ます。会期中に様々な形でこれを応用した申し立てが行われ、この人権理事会は非常にジェネラルな外交の場だということを感じました。


 最後に、日本政府代表部の一員として人権理事会に参加することは、将来世界に出て活躍されたい方にとって、国際問題の現状を肌で感じることのできる又と無い貴重な機会です。結びに代えまして、このような機会を頂きました人権班の方々に御礼申し上げます。