グローバル難民フォーラム 人道・開発・平和の連携(ネクサス)に関するスポットライト・セッションの開催 (Development and Humanitarian-Development-Peace Nexus addressing forced displacement)

令和元年12月21日

 12月16日~18日,国連欧州本部において,グローバル難民フォーラムが開催されました。同フォーラム期間中の12月17日,日本政府/JICA,ウガンダ政府,国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国連開発計画(UNDP),世界銀行及び経済協力開発機構(OECD)の共催により,人道・開発・平和の連携(ネクサス)に関するスポットライト・セッション(タイトル:Development and Humanitarian-Development-Peace Nexus addressing forced displacement)が開催されました。(フライヤー




 冒頭挨拶として,当代表部岡庭健大使から,難民問題への対応における人道・開発・平和の連携(ネクサス)の重要性に言及しつつ,すでに日本は長きにわたり,難民への人道支援をホスト国の開発支援によって補完するネクサス・アプローチをとっていること,ネクサス・アプローチは,緒方貞子元高等弁務官が推進した「人間の安全保障」の考えに基づくものである旨述べました。


 次に,各パネリスト(ナムヤング・ウガンダ地方政府担当大臣,シャワブケ・ヨルダン外務省国際関係機関局長,萱島信子JICA理事,岡井朝子UNDP危機対応局長,デヴィクター世界銀行プラクティス・マネジャー,モレイラOECD開発協力局長)から,主に以下の発言がありました。


●ホスト国の国家開発計画(教育,保健,雇用,生計手段等)への難民の包摂の重要性。
●難民の自立支援の重要性。自立は難民だけでなく,受入れコミュニティの経済にも寄与。
●更なる難民発生を防ぐために根本原因への対処が必要。
●人道から開発への円滑な移行のためには,政府の強力なリーダーシップが必要。
●ドナーベースの拡大,特に,民間部門による投資の促進が鍵。民間部門や市民社会を含むマルチ・ステークホルダーの関与が重要。
●長引く難民問題については,人道支援だけでなく開発の観点からも考えることが重要。
●ホスト国は資金不足の問題を抱えており,パートナーによる更なる財政支援が必要。

 その後,自由討論が行われ,ザンビア,ドイツ,ルクセンブルク,ILO,EC及びノルウェー難民評議会(NRC)から発言がありました。


 最後に,モデレーターのマクリードUNHCR強靱性・解決局長から,総括として,以下の点について言及がありました。


●難民支援では,個々人や人間の安全保障に焦点を当てることが重要。
●継続的な危機サイクルにおいては,人道及び開発アクターが早期の段階で関与することが重要。
●難民の自立を支援するため,ホスト・コミュニティへの投資が重要。
●ドナーベース拡大の必要性。
●政府のリーダーシップの重要性。