国連欧州本部におけるシリア国内避難民女性が制作した服飾小物の展示会(平成29年11月7日~9日)
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日本政府は,ITC(国際貿易センター)への拠出を通じた中東・北アフリカにおける人道・テロ対策支援のためのプロジェクトの一環として,シリア人女性デザイナー兼起業家であるラニア・キンジ(Rania Kinge)氏を中心とするダマスカス在住の国内避難民の女性によるアクセサリー類等の服飾小物の制作・販売事業を支援しています。
11月7日から9日,ITC及び当代表部の共催により,国連欧州本部において,これら服飾小物の展示等を行う「e-Caravan for Peace」と題するイベントが開催されました。7日に行われた同イベントの開幕式には,キンジ氏のほか,長岡寛介当代表部公使,ドロシー・テンボITC事務局次長,本事業をシリア国内で統括するイスマイル・エイド氏が出席し,挨拶を行いました。
長岡公使は,日本政府が国連等他のパートナーとも協力しつつ,シリアの人々のために「人間中心のアプローチ」に基づく各種人道支援を行っていることに触れつつ,本事業への支援もこうした考えに合致し,シリアの国内避難民の人々が持続的な生活基盤を得ることに貢献するものである旨述べました。
キンジ氏及びエイド氏からは,現在100人を超えるシリアの国内避難民の女性が本事業による職業訓練を通じてアクセサリー類等の制作を行っており,これらの販売によって生活の糧のみならず希望を手に入れているとの説明があるとともに,本事業の立ち上げを可能としてくれたITC及び日本政府に対して深い謝意の表明がありました。
物質的な支援提供にとどまらず,個人の生産能力の強化を通じて自ら生計を立てる手段を支えていくことや,小規模企業の貿易促進を通じた経済成長を支援することは,紛争やテロに苦しむ国の社会安定化のために重要かつ根本的な対策です。日本政府は,中長期的な平和構築のプロセスに資するものとして「人道支援と開発支援の連携」を推進しており,本事業への支援はこの考えに通ずるものです。
参考:ITC News(英語)