WTO Public Forum及び在ジュネーブ日本政府代表部主催イベント(開催概要)
9月27日から29日にかけて,ジュネーブのWTO本部にてWTOパブリックフォーラムが開催され,15回目となる今年は,過去最高の2000名以上が参加登録を行いました。
本年のテーマは「Inclusive Trade(包摂的な貿易)」で,貿易を真に包摂的なものにする(貿易の利益がそれに関連する全ての人々に及ぶようにする)という観点から,特に女性,中小企業,電子商取引やデジタル・エコノミーに注目したセッションが多く開催され,個人や中小企業がグローバルバリューチェーンや多角的貿易体制に参画していく方策や,開発との関連,その中でWTOや政府が果たしうる役割等が議論されました。開会式では,アゼベドWTO事務局長が,世界経済の成長鈍化の中,貿易やグローバル化に対する反発が高まっているが,貿易は生活の向上と貧困撲滅に最も強力なツールであり,我々は貿易を閉ざすべきではないが,一方で,成長と開発に資するため,貿易を包摂的かつ現実に対応するものとしなければならない,また,電子商取引や中小企業(SMEs)の重要性が高まっており,グローバルな取組が求められると述べました。(会議の詳細はWTOホームページ(英語のみ)を御参照ください。)
また,本件パブリックフォーラムに際し,当代表部は9月29日(木)に「Digital Trade for Digital Economy」と題するワークショップを,多数の出席者を得て盛況のうちに実施しました。ワークショップにおいては,デジタル・エコノミーの潜在力を引き出し世界の社会経済的な繁栄につなげるためにWTOが果たすべき役割とは何か,という問題意識を背景に,特に,国境を越えた情報の流通とそれを制限する政策の動向に焦点をあて,各界の専門家によるパネル・ディスカッションを行いました。
(ワークショップの音声が公開されていますのでWTOホームページ(英語のみ)をご参照ください。)
また,当該ワークショップに引き続き,伊原大使主催のレセプションをWTO本部で開催しました。本レセプションでは,ワークショップに参加した民間企業,NGO,国際機関及び各国政府関係者間で活発な意見交換が行われました。