WHO総会での西川厚生労働副大臣の政府代表演説(平成20年5月20日)

平成20年5月20日
WHO総会
西川厚生労働副大臣 日本政府代表演説
2008年5月20日(火)
 

1 議長、チャン事務局長、代表各位並びにご列席の皆様、
日本政府を代表して、WHO創設60周年の佳節を心からお祝い申し上げます。また、チャン事務局長の、世界の保健衛生問題に取り組まれてきたことに対し大きな賞賛をおくります。

 

2 冒頭、ミャンマーのサイクロン及び中国の大地震で多数の方が命を落とされたことに、心よりのお見舞いを申し上げます。

 

3 われわれは新型インフルエンザの脅威に面しています。このような国境を越えて健康影響が広がる課題に対して、われわれは、公衆衛生ネットワークの地理的空白を作らないよう、連携を強化していくことが必要であります。。特にIHR2005の役割は重要であります。また、検体共有とワクチン等の便益共有に関する政府間会合(IGM)プロセスを進展させなければなりません。

 

4  さて、本年は ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年に向けた中間年です。

 

5 WHOは、他の国際機関にない専門性を活かして、MDGsの達成に向け、三大感染症対策などに優れた指導力を発揮されていることを大きく評価します。しかし、母子の健康問題が依然深刻な状況にあることをはじめとして、なすべきことは沢山あります。

 

6 本年、我が国は第4回アフリカ開発会議(TICADIV)、G8北海道洞爺湖サミットを主催します。福田総理は、本年1月のダボス会議において、サミットでは「開発」と「アフリカ」を取り上げ、「開発」では、人間の安全保障の観点から、「教育」と並んで「保健」「水」に焦点を当てると発表しました。

 

7 我が国は、保健関連MDGs達成に向け、個別の感染症への対策をさらに推し進めるとともに、感染症対策や母子保健対策を進める上で不可欠な、人材育成をはじめとする保健システム強化や研究・開発促進なども含めた包括的な取組をバランスよく進めることの重要性を提唱したいと思います。

 

8 また、途上国が、一層の主体性を発揮して保健分野に取り組むことが重要であり、我が国としても、途上国の取組みを力強くサポートしたいと思います。WHOにも御協力頂いている野口英世アフリカ賞の授賞式をTICADIVで実施し、保健分野で顕著な功績を挙げられた2名の方を顕彰致します。

 

9 安全な飲料水と衛生施設へのアクセスは、人間の生命・健康の維持に不可欠であり、特に水系感染症や熱帯病等の疫病予防や健康増進に直接影響するものです。また、チャン事務局長が提起した気候変動のリスクについて、水アクセスは最も大きな影響を受ける分野の一つです。我が国としては、そうした課題を解決すべく、WHOとともに、我が国の経験、知見や技術を活かし、「水・衛生」分野の取り組みを主導していきたいと思います。

 

10 議長、すべての人々が健康を手に入れるため、今後ともチャン事務局長をはじめとするWHO事務局と、ここに参集するWHO加盟国すべてが力を合わせていこうではありませんか。

 

ご静聴ありがとうございました。