第9回人権理事会 平成20年9月8日 在ジュネーブ国際機関日本政府代表部
○ ウホモエビ議長が人権理事会・議長として就任されたことを先ず歓迎いたします。我が国政府は、人権理の新たな年次における、議長の経験豊富なリーダーシップを期待しています。
○ また、ナバメセム・ピレー新人権高等弁務官の就任を歓迎します。アパルトヘイト時代を経験した人権擁護者として、また、国際刑事裁判所の判事を経験した国際法の専門家として、ピレー高等弁務官の活躍を期待しています。同時に、我が国と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)との協力関係を更に促進していきたく、我が国としても最大限の協力を惜しみません。
○ 貴高等弁務官の報告で言及された、世界人権宣言の60周年について、我々は、この60年間で、人権の擁護と促進において、目覚ましい進展を遂げました。日本もこの貴重な機会に行事を行うとともに、国際的な人権ガバナンスの広報に努めていきます。一方で、世界各地で未だ重大な人権侵害が起こり続けていることも認めざるを得ません。我が国は、人権が普遍的価値であり、世界中で人権が促進され擁護されるべきと堅く信じています。かかる観点から、国連人権高等弁務官事務所及び人権理事会が担う役割の重要性を理解しており、今後も貢献していく所存です。
○ 我が国は、これまでに6つの主要な国際人権条約を締結し、昨年には強制失踪条約及び障害者権利条約に署名しました。人権条約体は、人権を擁護促進する上で、国連機関の中で、極めて重要な役割を果たしてきています。締約国による人権諸条約の遵守及び履行を確保すると共に、これらの条約への批准を促進することが、人権を擁護促進する上で重要です。
○ かような見地から、我が国は、児童の権利条約及びその2つの選択議定書、人種差別撤廃条約並びに女子差別撤廃条約につき、これらが締約国に提出を求めている政府報告書を本年提出しました。また、本年10月には、市民的及び政治的権利に関する国際規約委員会による政府報告書審査を受ける予定です。ピレー国連人権高等弁務官より適切な言及がなされた通り、条約体はグローバルな人権擁護の文化を醸成する上で、特別手続きメカニズムとともに、重要な役割を果たしています。これらの審査過程を通じて、我が国を含む世界各地における人権の擁護促進をより一層進めてゆく所存です。
○最後に、国連人権高等弁務官が言及されたように、高等弁務官のポストは非常に要求されるものが多いものですが、新高等弁務官が、国連人権活動のトップとして、揺るぎない決意でこの重要な職務に取り組まれるとともに、効果的で、説明責任を果たし、透明な組織運営を実践されることを真摯に期待します。我が国は、あらゆる人々の人権の擁護促進の為、様々な課題で貴高等弁務官に協力していきたいと思います。 |