石綿の使用における安全に関する条約(ILO第162号条約)の批准書寄託について
2005年8月11日 在ジュネーブ国際機関日本政府代表部
1.8月11日(木)、11時、日本政府は、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部を通じ、国際労働機関(ILO)事務局に対し、石綿の使用における安全に関する条約(ILO第162号条約)の批准書を寄託した。
2.本条約は、業務上の石綿への曝露による健康に対する危険の防止及び管理、並びにこの危険からの労働者の保護のために必要な措置を定めたものであり(具体的内容等については別紙1ご参照)、7月15日にその締結について国会の承認を得、8月5日にその締結についての閣議決定が行われたことを受けて、批准書の寄託を行うものである。 なお、同条約第24条2項の規定により、この条約は、その批准が登録された日の後12箇月で効力を生ずることとなっており、2006年8月11日に我が国に対し効力が生ずる予定である。
3.関連日程
4.締約国(別紙2参照) 2005年7月1日現在、独、加、スペイン、スウェーデン、露、ブラジル等27カ国。
別紙1
石綿の使用における安全に関する条約(ILO第162号条約)の概要について
1.業務上の石綿への露による健康に対する危険の防止及び管理並びにこの危険から労働者を保護するためにとるべき措置については、国内法令において定める。(第3条)。
2.第3条の規定に従って制定する法令の執行を、十分かつ適当な監督制度により確保することとし、この条約の効果的な実施及び遵守を確保するために必要な措置(適当な制裁を含む。)については、国内法令において定める(第5条)。
3.労働者の健康を保護するために必要であり、かつ、技術的に実行可能な場合には、石綿の代替、石綿の全面的使用禁止等の措置について、国内法令において定める(第10条)。
4.クロシドライト(青石綿)及びその含有製品の使用を禁止する(第11条)。
5.あらゆる形態の石綿の吹付け作業を禁止する(第12条)。
6.石綿の生産者等は、容器等に対して適切な表示を行う責任を負う(第14条)。
7.権限のある当局は、労働者の石綿への曝露限界又は作業環境を評価するための他の曝露の基準を定める。使用者は、石綿への曝露を曝露限界内に抑えることができない場合には、労働者に費用を負担させることなく、適切な呼吸用保護具等を提供する(第15条)。
8.石綿を含有する構造物の取り壊し及び建築物からの石綿の除去は、権限のある当局により当該作業を行う資格を有すると認められた使用者又は請負人によってのみ行われる(第17条)。
9.使用者は、労働者の個人用衣類が石綿粉じんで汚染されるおそれのある場合には、適当な作業衣を提供する(第18条)。
10.石綿にさらされている労働者については、国内法及び国内慣行に従い、必要な健康診断を実施する(第21条)。
(注)本条約の正文(英語版)は、http://www.ilo.org/ilolex/english/convdisp1.htmから入手できます。 別紙2
石綿の使用における安全に関する条約(ILO第162号条約)批准国一覧
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