鳥インフルエンザ等に関する日本の支援策

 

鳥及び新型インフルエンザに関する我が国の支援策

 

平成17年12月12日


■本年度、アジア諸国に対して総額約1.35億ドルの協力を実施。
50万人分の抗インフルエンザ・ウイルス薬の備蓄を支援
■国際機関を通じた住民啓発・監視強化、研究促進等の支援 等
早期封じ込めに関する国際会議の来年1月の東京での開催
今後3年間、関連分野で毎年100人以上の研修員の受け入れ、検査施設の供与 等

 

Ⅰ.本年度中の措置


1.抗インフルエンザ・ウイルス薬及びその他の必要物資の備蓄支援

・アジア地域における鳥及び新型インフルエンザの発生に対処するため、抗インフルエンザ・ウイルス薬)50万人分の備蓄を支援し、インフルエンザ検査キット、防疫服それぞれ70万人分等を供与する。このために、ASEAN統合のための日本の貢献のうち約4680万ドルを活用する。

 

2.国際機関を通じた住民啓発、監視強化、防疫、早期対応の向上等に向けた支援
・国連児童基金(UNICEF)/世界保健機関(WHO)との協力の下、アジア地域における新型インフルエンザの発生と流行に備え、必要な啓発活動及びハイリスク・グループ等へのインフルエンザ・ワクチン接種を実施する。これらのプロジェクトを支援するため約4910万ドルの支援を実施する。


・WHOの監視能力の向上及びWHOが備蓄する抗インフルエンザ・ウイルス薬の供給システムの構築等のために、WHOを通じて約200万ドルの支援を実施する。


・家禽を対象とした各国の獣医行政、通報体制、防疫対策の強化・向上等を支援するために、国際獣疫事務局(OIE)及び国連食糧農業機関(FAO)を通じて、約1930万ドルの支援を実施する。

 

3.共同研究の促進
・我が国の感染症拠点4大学がベトナム、タイ及び中国の研究所と連携し、各国に共同研究拠点を構築する。これらの国内外の拠点における新興・再興感染症に関する研究の促進と人材育成のために、23億円を支出する。

 

Ⅱ.早期封じ込めに関する国際会議の開催


・WHOとの共催により、来年1月12~13日に東京で、フェーズ4に入った段階での早期封じ込め等に必要な措置につき協議するための会議を開催する。この会議には、アジア諸国、関係国際機関及び主なドナー諸国を招請する。

 

Ⅲ.キャパシティ・ビルディング


1.研修員受け入れ、専門家派遣等
・アジア地域における研究者、医療関係者、動物衛生専門家、保健担当行政官等の人材育成のために、今後3年間で、鳥インフルエンザ対策に資する研修を毎年100人以上に対し実施する。また、専門家派遣等の実施も検討する。

 

2.機材供与等
・感染の可能性が高い地域の拠点となる途上国に対し、検査施設の建設、機材供与を実施する。例えば、来年度にベトナムにおける高度なウイルス検査施設を整備する方向で検討中。

 

(参考)我が国の鳥インフルエンザ関連支援実績(平成15年以降)
カンボジア、インドネシア、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー及びマレーシアに対して、総額約220万ドル相当の物資等を供与した他、研修員10人を受け入れ、専門家等24人を派遣。